血柘榴

テォンの小説を少しずつあげていこうと思います。ほんとに短いですが定期的に更新できたらなと思ってますので暖かい目で見ていてください。
 文才は皆無です、ウチの子可愛い

「ダメな子」
「お姉ちゃんはちゃんと出来るのになんでお前はそんななんだ?」
「そんなのできて当たり前でしょう?お姉ちゃんはもっと出来るわよ」
僕は、1度も母から褒められたことがない、穢らわしい、醜い子、血族の恥、母様と父上はいつも僕にそう言う
家族とお揃いのこの赤毛も、頬にできたそばかすも、醜い色のこの目もみんなきらい。
誰も僕を愛してはくれなかった。
けれど唯一ナオンはそんな僕に優しくしてくれたし食事も運んできてくれる。
とても可愛くて、優しい妹だった
でも僕に構うとお前までとばっちりをくらうぞ、って何回も言ってるのに聞かない頑固者で、きっと父上に似たんだ、父上も頑固だ、それに寡黙だった。
お母様もそんなナオンがとても心配らしく、いつも妹には口酸っぱくナオンナオンと名を呼んでは叱っていた。僕は家族の中で、唯一の男だからと父上はあれよこれよと語学に剣術に銃にと手厳しく稽古をつけた、少しでも間違えば怒鳴られたし食事を抜かれた。
そして僕の家族や周りの人間は僕には絶対に【痛み】というものをおしえなかった、必要ないからと知れば弱くなるからと、痛み、とは、何なのだろう……、些細なことすら周りは気を使っていた、それだけは必ず、必ず。と
僕の部屋は柔らかいクッションがたくさん置いてある。
食事は一日一回。だからかなぁ、いつもお腹がすいてるんだ、これが普通のはずなんだけど…僕はどうしてこんなにお腹が空いてるんだろう
「おにぃちゃん、お腹すいてる?」
「え?」
「目の紫が濃くなってるもん、それにね、お母様がお買い物に行ってる間にね、お菓子焼いたの、一緒に食べよ?」
「ナオン…また見つかると怒られるよ?」
「大丈夫よわたしね怒られるの慣れてるもん、ほら食べて、たっくさんあるからね!」
「ありがとう、ナオン」
ふかふかとしたマフィンを齧ると甘い味が広がってとても心地いい
美味しいなぁ……
この家のお手伝いさん達はみんな僕を【テオ】と呼ぶんだ
ナオンやシォンは様付けで呼ばれてるのになんでだろう…?やっぱり男の子だからかなぁ…?
「おにぃちゃんおにぃちゃん、美味しい?」
「うん、すっごく美味しいよ、ナオンはお菓子作りの天才だね」
「えへへー!」
「ナオン様、テオ。ここで何をなさってるのですか、ナオン様。またコソコソと菓子を作りテオにあげていたのですか?そんなくだらない優しさをする時間があるならお母様のお手伝いをなさってはどうです」
「むぅ、リオはいつもそんなことばっかり」
「ナオン、ごめんね、僕のせいで。大丈夫、僕は大丈夫だから、お母様の所へ行ってあげて、そろそろ、帰ってくるはずだから」
「おや、相変わらず耳がいい事、気持ち悪い子だわ、いつもヘラヘラして、ナオン様にその気持ち悪い目とそばかすが伝染ったらどうしてくれるんです、近寄らないでくださいまし」
「おにぃちゃんは気持ち悪くないもん!リオの意地悪!そばかすだって可愛いもん!リオの馬鹿!」
「まぁっ!」
「ナオン、リオさんにそんなこと言ったらダメだろ、僕は本当に、大丈夫だから、ね?ごめんなさい、リオさん、ぼくが、お腹すいてるって知っててナオンが気を使ってくれたんです」
「…まぁ、お優しいのね、ナオン様、こんなのに優しくても意味が無いのに…ほら、早く行ってください」
「むぅ……わかった…またね、おにぃちゃん」
「うん、ナオン、またね」
ドアがパタン、と閉まるとリオはあからさまに嫌そうな顔で、今日の授業を始めるのでさっさと椅子に座って下さい、と口元を抑えて言う、
僕、女の子に生まれたかったなぁ……女の子って愛されるんだよ、僕が男の子だから、愛されないんだよね。
ナオンやシォンはいいなぁ…
「テオ」
「はい。リオさん」
褒められるために頑張らなくちゃ、
きっと僕がもっと頑張ったらお母様は褒めてくれるはずだ、頭だって、シォンやナオンみたいに撫でてもらえる、だから、頑張らなくちゃ
「テオは覚えだけはいいのですから、たくさんの知識を蓄えなさい、それらはいずれあなたの役に立つわ」
「はい、リオさん」
頑張らなくちゃ、頑張らなくちゃダメなんだ、僕にはこれしか取り柄がないんだから。
頑張ったら、もっと頑張ったら、きっと褒めて貰える
「そんなの、ナオンやシォンにだって出来るわよテォン、あなたは誰よりも劣ってるのだからもっと頑張りなさい」
「はい……お母様」
「だいたいね、その程度で褒めてもらおうなんて図々しいわ、シォンは素敵な殿方と結婚して隣の国で教師をしてるというのに、貴方はいつまでも未熟で、本当、産まなければよかった…それに相変わらずなんて醜い色の瞳なのかしら……忌々しい…」
「ごめんなさい、ごめんなさい…お母様。僕、もっと頑張ります」
「えぇ、せいぜい励む事ね」
「はい、お母様」
「ヘラヘラと…気持ちの悪い子だ事…」
僕は、忌み子だ、忌み子の意味はよく理解できてないけど、きっとお母様やお父様にとっての僕は荷物なんだ。
だから、僕はもっと頑張らなきゃ
母様達みたいな青い瞳は持ってないし頬もそばかすがあって、僕のコンプレックスなんだ…どうすれば消えてくれるんだろう…トマトかなぁ…
ナオンはこのそばかすを可愛いとよく言う、優しい言葉を貰うと僕はよく分からない気持ちになって胸がソワソワする…この気持ちってなんて言うんだろう……?
僕にはよく分からない。
姉のシォンはとてもよくできた子だって母様と父上はよく言う、シォンは勉強も運動もすごく得意で、僕によく、『こんな家に生まれてテォンは可哀想ね』と言っていた、けど好き好んでこの家を選んだんじゃないし生まれたのがこの家なのだから仕方ないじゃないか、僕にはナオンがいるし、特別不幸ではない。
シォンは賢くて自慢の姉だけどシォンは僕のことが嫌いみたい
小さい頃は仲良くしてたんだけど、いつからか、避けられるようになってたし、昔過ぎてあまりよく覚えてない。 
僕はいつも部屋の窓から庭でシォンが知らない男の人と手を繋いで笑ってるのを見てた、あの人は誰なんだろう…。

KOO

Twitterに上げた絵や、ネタ等。 創作小説や二次小説 日常を上げます。 たまにR18ネタものを書く。 コメント等が貰えると泣いて喜ぶ。 不定期更新

0コメント

  • 1000 / 1000